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米国で著名なデイトレーダー養成機関プリスティーンの創始者オリバー・ベレスの発想も言及しながら、デイトレードの今日的意義や、留意点を解説。
<1> デイトレードのメリット・デメリット  (定義/背景/意義/実践のポイント)
<2> デイトレードの考え方・留意点〜マーケット構造の理解 (マーケットの変動に関する理論/相場変動の読み方)
<3> 短期売買の心構え (オリバー・ベレスの発想を言及しながら、デイトレードのポイント54項目を解説)
短期売買の心構え
NO.2  「林 康史のデイトレード実践講座」 ビデオテキスト P15より

トレーディングは、少数派と多数派の、優れた者と無知な者の、そして持てる者と持たざる者の間の恒常的な戦いである。

戦場は戦術に疑問を持つ場所ではない。疑問を持ち出した瞬間が退場の瞬間なのである。「なぜ」を追い求めること、理由を探し回ることは、自分が負けたこと、そして、自分の行動に責任を持てなくなったことを意味する。「なぜ」を問いかけるべきは、取引を開始する前、あるいは取引が終了した後である。戦いのまっただ中にいる時、とるべき選択肢は行動であり、疑問ではない。前もって理由を考えておくか、あるいは安全な位置に戻ってから理由を考えればよいのである。

すべての取引の結果は1つの要因によって決定される。つまり、いつ、どの水準でポジションをとるかである。

トレーディングに習熟する秘訣は売りのタイミングを知ることであるというのが、ウォール街で一般的に受け入れられている原則である。この観念を根底から覆すことはできない。しかし我々は、適切にポジションをとることがどの時点で手仕舞うかという問題を大幅に軽減すると確信している。[略]最良の取引はポジションをとった瞬間に利益が出ているものである[略]。買った瞬間に下落する銘柄と、買った瞬間に暴騰する銘柄の違いは何だろうか。その違いは単にポジションのとり方に起因するのである。

実際に起こった事象が株価を動かすことはほとんどない。投資家が総体として事実をいかに認識するかが現実なのであり、株価を動かす真の力なのである。

マーケットは事実あるいは正しいものに反応するものだと読者が信じているならば、悲しいかな、それはトレーダーや投資家として誤った認識である。そうした誤った仮定のもとでマーケットに参加することは、失敗が保証されたようなものである。株価は事実ではなく、「確信」によって動くのである。

マーケットを動かすものは、事実に対する認識である。当該企業や当該企業のファンダメンタルズを買っているのではない。我々は、ある銘柄についての人間と人間の持つ認識を買っているのである。

心理的に心地よいものは、ほとんどの場合間違ったものである。逆に、ある特定の戦略やアプローチが、心理的に、感情的に受け入れ難いものであれば、それが正しいものである確率は極めて大きい。安心や満足は、何か間違ったことをしている兆候である。正しいことを行うことは必ずしも容易なことを行うことと同義ではないし、それが安堵感を伴う場合には、間違ったものである可能性が高い。

心理学者によれば、創世の頃から人間は正しい行動が最も難しいものであり、間違った行動は容易なものであると認識してきた。これは、人間が快楽を追求し、苦痛による不快感を避けるようにできているからである。しかし、正しい行動はしばしば苦痛を提供し、間違った行動はしばしば一時的な快楽を提供するのである。

間違った銘柄を買ってしまったために大幅な損失を被っているトレーダーがいる。彼は、「売るべきか、様子見か、買い増すべきか」という問題に苦悩している。彼は、心の中では買い増すことは火に油を注ぐようなものであり、正しい答えではないことはわかっている。また、彼は様子見を続けることも正しい答えではないとわかっている。様子見を続けることは希望にかけるという危険なゲームを続けることになるわけで、希望は健全なトレーディングには不要なものである。結局、彼には、売るという唯一つの選択肢しか残されていない。頭では売却のみが理性的な選択であると十分に認識しているのである。彼は、その取引が当初から間違っており、その取引を手仕舞う代わりに、何らかの方法で修正しようと試みれば、結果的に損失を拡大させてしまうリスクを負うと判断するのである。しかし、彼の知的な判断にもかかわらず、心理は売却に激しく抵抗する。なぜか。そのポジションを塩漬けにして持ち続けるのと比べると、売却により損失を確定させてしまうことは、損失を現実のものとしてしまうからである。
NO.4  「林 康史のデイトレード実践講座」 ビデオテキスト P16より

テックス・コッブ(王座決定戦で、15ラウンドすべてで判定負けした唯一のボクサー)「上昇気流にある者は誰でもヒーローになれる。男の本当の価値は、何ひとつうまく行かない時に、それでも前に進む根性があるかどうかだ」。

ノックアウトと思えるような状況でも倒れるたびに立ち上がれば、それはノックダウンにすぎず、それは人間が行うことのできる最も偉大な行為なのである。

何をすべきかを知ることはそれを実践できることの保証とはならない。

トレーディングという利益を上げる可能性のあるゲームは精神的なものなのである。その8割以上は心理的な要素が占める。トレーディング手法や技術を身につけた後は、成否を決するのは思考過程の質といえる。我々は知識が欠けていることによってやられることはない。多くの場合、知識に耳を傾けないことによってやられるのである。

トレーディングで生計を立てようとする者の8割以上は6ヵ月以内に失敗する。

大工道具を手に入れたからといって名大工にはなれない[略]。それは名大工ヘの第一歩であることは間違いないが、それぞれの道具を使いこなし、活用できてこそ名大工なのである。

トレーダーが活用できる道具の中で最も優れているものは自己の心である。

トレーディング手法や技術などのすべての適切な道具を身につけながらも、思考過程が間違っていれば、やはり身を滅ぼすことがある。

知識と思考を身につけた者にとって、無知な者や思考力のない者は、涸れることのない富の源泉である。

より多くの資源を求める以前に、手元にある限られた資源を十分に活かしきっているのか。[略]自分が自由にできる時間を浪費しているようでは、もっと時間がほしいと願う資格はない。

現在持てるものを完全に消化する前により多くを求めるのは強欲というものであろう。向上心の強いトレーダーは、この罠にはまりやすい。聖杯(ホーリー・グレイル)を追い求め、次から次へと参考書を替え、より多くの知識を求めるのである。また、ある知識あるいは別の知識を求めて、次から次へとセミナーを受講するのである。新たな技術、新たな手法、新たな発想。もっと知りたい、新しいことを知りたいというわけである。しかし、こういったトレーダーが既に持てる知識を有効に活用しようとしているのを見たことがない。

過去にとらわれすぎることは有害であるといってもよい。それはトレーディングという名のゲームでは心理的な要因が8割以上を占めるためである。

過去の損失の影響を受けている兆候としては、以下のようなものが挙げられる。
1)どうしようもない躊躇。これは暗に確実を求めていることの表れである。
2)引き金を引くことを恐れる。これはもっと知りたいということにほかならない。
3)利食いのタイミングが早すぎる。
4)損切りができない

ある意味では過去は最も優れた教師であり、そして常に自らの真実の姿を映す「鏡」でもある。しかし、また同時に、過去は我々の将来を瞬時に破滅させてしまう大敵にもなり得る。一言でいえば、過去を引きずり過ぎることは自分のためにならない。