S002
投資心理(現代版)
相場で勝つための心理学
 
テキスト
(11頁)
90分 林 康史  7,000円
投資心理(現代版)
ファンダメンタル・テクニカルを知り尽くした者どおしの
ゼロサムゲームで重要なのは心理コントロールである。
実践投資で勝ち続けるためのノウハウを、理論的に解説します


2000/10/21セミナー編集編

「相場で勝つための心理学」
〜相場の読み方・取引の心構え〜

講師 林 康史 (はやし やすし)
大和証券投資信託委託且蜷ネ研究員  
一橋大学大学院国際企業戦略研究科 非常勤講師


『為替ディーラーの常識非常識』の著書やロングストリートの『相場のこころ』の訳でも知られる講師は、「相場をするのは人である。マクロ的にも、ミクロ的にも、相場は人間心理と切り離して考えることはできない。相場を人間心理の視点から考察することで、相場が上達するはずである」という。
1)人の心を読む           
 〜他人の予測を予測する〜 
    
2)マクロの予測と心理        
 〜為替心理説・ケインズの美人投票〜 
    
3)ミクロの予測と心理        
 〜自己の判断と予測〜  
   
4)己を知る              
 〜心理的バイアス・相場の向き不向き〜 
心理学の視点
 短期売買では心理学の視点は非常に重要である。
 この分野の研究は、現場の人たちから始まっており、学問の面では金融論とその心理という研究までは進んでいないようだ。

 最近「金融リスクと巨額損失」というペーパー(論文)の中で過去10年くらいに起こった大和銀行NYの事件や、商社の銅取引(デリバティブ)事件などに象徴される巨額損失が生じた理由を考察してみた。
 
 すると、そうした会社のリスク体制がいい加減であったから損失が生じたとは限らず、担当者が人間であるということから問題が生じたと思われる事例も多かった。つまり、極めて人間的な部分での管理の失敗が起こっているということで、これは、突きつめると「人間の心理」が事件を引き起こしたということもできる。

 インセンティブ(incentive:誘引・動機)の問題もある。それはお金である場合や、昇進である場などがある。従業員が誘惑に駆られて、とんでもないリスクを取ることを「エージェンシー問題」という。大相場を張って、失敗したら解雇されて終わりになるが、うまくいけば夢のような報酬や会社のヒーロー(=取締役)が約束されていたことが、巨額損失につながってしまったともいえる。

心理学応用のメリット
 人間の「心理」を考えることは、過去の伝統的なテクニカル/ファンダメンタル分析や経験則を
ある程度説明できるかもしれない。過去の分析法に科学的なメスを入れることができるかもしれないということだ。さらには従来以上の、人間の欠点すらも読み込んで、人間であるかのように予測する人工知能などを作ることができるかもしれない。

 また人間の「心理」を勉強することは個人投資家にとっては自己管理の、会社運用者にとっては会社の人的管理の質的向上を図ることによって、リスクを抑え危険を排除することができ、結果的には、損をしない/儲けることにつながる。


(1)人の心を読む
・囚人は釈放されるか……
4名の囚人がいる。階段室のB、C、Dは自分より低い位置の囚人の姿は見える。「黒と白の帽子が2個ずつある。囚人のうち1名でも自分の被せられている帽子の色がわかれば全員が釈放される」という情報が囚人らに伝わった。わかる囚人はいるか。

A……独房にいるのでわからない。
B……1階なので、わからない。
C……1階のBの帽子の色しかわからない。
D……BとCが同じ色の帽子ならわかるが違う色の帽子の時はわからない。
ということであるが、答えは「わかる囚人はいない」ではない。


《回答》・・・・